電力自由化とは

電力自由化とは

2020年4月開始予定、電気の発送電分離の現状

公開日:2016.08.20
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2020年4月開始予定、電気の発送電分離の現状
小売自由化とは異なり、発送電の分離は広大な範囲に電柱や電線を立ち上げなければならないため、既存の大手電力会社が担うことが予想されています。 公平性などをどのように担保するか等、解決しなければならない課題も少なくありません。

 

「発送電分離」をご存知でしょうか。2016年4月の「電力小売り完全自由化」で個人の消費者も自由に電力購入先を選べるようになり、「電力自由化」はよく聞く言葉になりました。

「発送電分離」は、日本では「電力自由化」リレーの最終ランナーとして2020年4月に登場し、これにて「電力システム」事業の大改革が完了します。
簡単に言えば、電力の「送配電」事業を発電事業者が兼業できなくなります。

具体的には、各地域に1社ずつある大手電力会社10社の送配電部門が分離独立するのが「発送電分離」、つまり、送配電の自由化です。

「発電の自由化」「小売りの自由化」「送配電の自由化」が揃って、電力の完全自由化が達成されます。
2015年半ばに関連法が成立し、法的には決まりましたが、細かい点はまだまだこれからしっかりと、というのが「発送電分離」の現状です。

 

送配電事業者になるのは各大手電力の「送配電部門」だけ?

 

送配電の自由化では、発電や小売とは違い新規事業者の参入は難しいといわれています。

ある程度広範な地域に電柱を建て電線網を作り上げ、国の事業免許を取得するのは、現実的には困難だという理由です。

各大手電力の「送配電部門」が分離した組織だけが送配電事業者となることが見込まれます。
分離された「送配電事業者」には中立性が求められます。元の会社や地域の枠を越えて参入した他の大手電力、新電力PPSのいずれにも公平な条件で、送配電網を使用させなければなりません。

特定の業者を正当な理由なく門前払いすることや、仲間だけを好条件で施設利用させることは出来なくなります。
既に進み始めた「発送電分離」への道程ですが、これから準備を進めなければならない事も多く残っています。

従来「発電・送配電・小売り」を1社が担い、需給バランスの調整もしてきたわけですが、2020年以降は安定供給への方策も変わらざるを得ないといわれます。

 

エネルギー供給事業全体の変革のなかで残る課題

 

ご存知の通り、「電力自由化」の次には「ガス自由化」が控えています。

ガス事業者の新電力・PPSへの参入も活発ですし、再生可能エネルギーの活用も広がり、ほかにも石油や水素などがあります。

エネルギー供給事業は全体として大きく変化していますので、電力だけを切り離して考えることはますます難しくなるでしょう。
国と電力大手の意向としては、これまで進めてきた原子力発電事業を今後も続けていく計画です。

これと、全国に次々と作られた大規模な再生エネルギー発電事業との兼ね合いなどもまだまだ調整がついていない問題の一つです。

また、法的に中立性・公平性が保証される送配電網の利用条件なども、設置される監視委員会の具体的活動を含めて、どうすれば公平性が確保されるかまだ分かっていません。
また、大手電力各社間にも温度差が見られ、発送電部門の分社化を着々と進めている会社がある一方、発送電分離の実施への大きな懸念も聞かれます。

 

03_2020年4月開