電力自由化とは

電力自由化とは

「発送電分離」と「送配電部門」って何のこと?

公開日:2016.08.19
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「発送電分離」と「送配電部門」って何のこと?
電力の小売自由化が一般にも知れ渡るようになり、それと同時に「発送電分離」という言葉も広く知られるようになりました。 発送電分離は大手電力会社の「送配電部門」だけを切り離すことです。 自由化されるとはいえ、発送電には膨大な設備投資とノウハウが必要なため、新規参入は現実的に困難なのが実情です。

 

2016年4月の一般消費者向け電力小売り自由化で注目が集まる「電力自由化」は、2020年4月に予定されている「発送電分離」で最終ステップを迎えます。電気は「発電」も「小売り」も「送配電」も自由化されます。
「発送電分離」は、簡単に言えば大手電力の「送配電部門」を切り離し分社化することです。「送配電部門」は、発電した電気を運搬する係で、発電所から最終の変電所まで送る「送電」と、変電所から家庭などに配る「配電」を担当します。電力需給バランスの調整や電線網設備の保守管理なども「送配電部門」が担います。
分社化が実施され「送配電事業者」が誕生した後は、元の仲間の発電会社や小売会社とだけ有利な取引をすることは出来ません。他の地域から来た大手電力とも新電力・PPSとも、中立的な立場で公平、透明性のある取引が求められます。

 

「発送電分離」が無ければ電力自由化は完成しない?

 

日本では、「発送電分離」は電力自由化のゴールと言われます。アメリカやヨーロッパではすでに電力自由化が進んでいますが、必ずしも最後に行われたわけではありません。アメリカは州ごとに電力事業にも違いがありますし、ヨーロッパの場合はEU圏など国境を越えて電気も行き来するなど国ごとに異なる事情があります。
日本の場合は、長年の電力事業の歴史のなかで発電・送配電・小売りが一体化していたため、人材や経営資本、各種財産などを簡単に分離することが難しいのも現実です。このため、余裕を持たせた準備期間が必要なため、小売り完全自由化から4年間かけて準備し、送配電部門を分社化することになっています。
既存の大手電力10社の送配電部門が新たに「送配電事業者」となりますが、2020年4月以降も完全に断ち切られるわけではなく、親会社との資本関係が続くことが見込まれます。

 

送配電事業への新規参入はあり得る?

 

「送配電分離」では「送配電の自由」が実現し、文字通り、送配電業者になることも自由かというと、発電や電力小売りとは違い、現実的には新規参入は困難です。ある程度の広い地域に、数多い電柱用の土地を確保し電線を張り巡らせるのは膨大な投資となります。そして、仮に設備投資が可能でも、国の許可を得ることが難しいでしょう。
送配電事業は発電や小売りとは違い、競争原理が働くことで良いサービスが生まれるものではありません。膨大な初期投資を終えている一社が事業を独占し、まとめてサービスを提供する方が、同じ地域に二つ目、三つめの送配電網を作るより遥かに効率的です。一つの設備をより多くの業者や消費者が使うことで、供給コストの低減も見込まれます。もちろん独占の弊害も懸念されますので、送配電事業には自由化後も国の規制や監視が続けられます。
このような理由によって、将来的にも送配電事業への新規参入は難しいようです。

 

01「発送電分離」